なんとなくだけど、フリーターに憧れたんだ。
社会に揉まれ、神経を削がれた後になって、フリーターという働き方がとても魅力的に見えたんだ。そんで実際にやってみた。
結果……
マジでキツかった!!
「フリーターでもイイと思うよ」とか「正社員がすべてじゃないよ」とか。世に溢れる甘い言葉に耳を傾けるのは自由だ、うん。
そして、フリーターはたしかに楽なんだ。
ただし、1回冷静になって考えてみてくれないか。
僕が20代後半になって体感した、フリーターの酸いも甘いもぜんぶさらけ出して書くぞ。フリーターを検討している人は参考にしてくれ。
フリーターのここがキツい
フリーターの良いところしか見えてなかった僕は仕事を辞めて、晴れてなりたかったフリーターになったんだ。
しかし、現実は思っているより簡単ではなかった。
むしろ色んな意味できつい。
その“色んな意味”をこれから書き出していくよ。
※僕の体験をもとに書いているから、メチャクチャ主観です。
たくさん働かないといけない
結局のところ、金がない。
フリーターってほとんどが時給でお給料をもらうワケだ。そうなってくると、働かなければ金が入ってこない。
当然のように感じるかもしれないが、思いのほかコレがキツイ。
正社員のころの生活水準を保とうとするならば、アルバイトでかなりの時間を働かなければいけなくなる。
仕事の質?効率化?イヤイヤ……
フリーターは時給計算なんだ、ほとんどの場合。
20万円欲しければ200時間働いて、
30万円欲しければ300時間働く。
自由が欲しいと思ったら実は大間違い。
稼ごうと思えば思うだけ自分の時間は奪われて、自分の時間をつくろうと思ったらそのぶん金が逃げていく……。
これが僕の体験したフリーターの現実だった。
ボーナスないし昇給ないし結局は低収入
「じゃあ覚悟してめっちゃくちゃ働けばいいね!」
という考えに至った僕。
だけどこれもまた、大間違いだった。
「フリーターってボーナスないじゃん……」
そうだったんだ。
正社員で働いていたときは年に2回、ボーナスがあった。そして昇給も。だがしかしフリーターはどうなんだ?
もちろんのこと、ボーナスなんてない。昇給は……ときどき時給が上がることくらいならあるが数十円程度。これで僕には大きな買い物ができなくなった。
ボーナス払いでローンを組むことも繰り上げて買い物することも、一切できなくなったんだ。
なんだよ……
結局がんばって働いても低収入じゃないか。
そもそもフリーターになる前に気づけ(´Д`)
有休が使えない
まぁ正社員でも有休が使えない会社はいっぱいあるよね。
逆にアルバイトでも有休を気持ちよく使わせてくれるところはある。しかしアルバイトの有給休暇はね……あんま浸透してないよね。
僕自身、学生時代を含めて10か所以上でバイトをしてきたけど、有休が使えたところはたった1か所のみ。
ちゃんと条件は揃ってたのにだ。
『アルバイトでも有休使えるんですよ』
って感じの記事がネットにもたくさん転がってるからね。それだけ知らない人が多いってことだ(;´∀`)
さて話を戻して……有休が使えないと何がキツイって、
休めないことだ。
病気になろうが急用が入ろうがどんなことが起きようが、休めば休んだ分だけ翌月に入るお給料は減っていく。
インフルエンザとかマジで笑えない、1週間休めば7~8万飛ぶもんな。
税金、保険関係がめんどくさい。高い。
正社員からフリーターになる人は覚悟したほうが良い。
税金クッソ高い……
マジで「正気か?」って思ったのは住民税の金額だった。
住民税の場合、前年度分の収入をもとに計算され、翌年度に課税されるものなんだ。だから、前年は普通に正社員で働いていた僕の住民税は、地獄みたいに高かった。
今年の収入が低くても関係ない、基準とされるのは前年分の取得なんだ。
これ払っていくの本当にキツかったわ。
それだけじゃないぞ。
正社員からフリーターになった場合に出てくる問題は健康保険だ。
会社に所属していた頃は保険料が半額くらいに済んでいた。大手企業の場合はこの限りじゃないけど、だいたい健康保険料は半分くらい会社が負担してくれるのが一般的だ。
しかしフリーターは違う。
自分の保険はしっかり自分で負担しなくてはいけないんだ!!
国民健康保険の金額は各自治体によるが、年収200万につきだいたいが年間15万円程度の負担になることが多い。
つまり、月16~7万円の収入で、毎月1万2500円の保険料を支払うことになるんだ。16~7万円って手取りじゃないからね、ここから国民健康保険料を含め住民税やら年金やら所得税やら、引かれていくんだ。
フリーターになって思ったのよ、
マジ会社員ってありがてぇ……(;´∀`)
周囲の目線
「自分がよければそれでイイじゃないか!」
って意見はもっともだ。うん、ごもっとも。
しかしそうは言っても、職業ひとつで相手の目線が変わるのは結構こたえる(笑)
「そういえば僕さんってなんの仕事してるんですかー?」
「飲食店で働いてるよ!」
「そうなんだー!でも飲食店って休み少なくて大変そうですね」
「そうだね。でも僕はフリーターだから休みなら合わせられるよ」
「え?フリーターなんですか?」
「そうだけど?」
「あっ……(察し)」
合コンみたいな初顔合わせになると、反応がキツイ(笑)
それとなく流してるけど、何も言われないけど、「フリーターです」って言うと一呼吸の間ができるんだよね。
気のせいかな?僕がひねくれてるのかな?
つまらない
最初の1か月は良かったんだ。
「あーフリーター楽だしサイコー」
って思ってたのよ、本当に。
けどね、これが2か月、3か月と経ったときに段々と心境が変化していったのさ。「やっぱりあんな仕事したいなぁ……」とか思ったりね。
フリーターはたしかに楽だった。
正社員に比べりゃ仕事は楽だし、時間で決められてるし、好きなときに休みを入れられるし、責任はそんな重くないし。とにかく楽だった。
でも刺激はなかったんだ。
はじめはその刺激のなさが良かったんだけどね、人間って変わるモンだね。
刺激のない毎日が続いたらそれが退屈になって、どうでもいいことでクヨクヨ悩んだりイライラしたりするようになったんだ。
結果的に行きついた答えが、
――フリーターってつまんねぇな
これだったんだ。
そんなフリーターでも良いことはあったよ
これまでフリーターの悪いイメージばっかり話してきたけど、もちろん良いこともいっぱいあったよ。ただ想像以上にデメリットが強かっただけで。
まぁ、この“良いこと”に憧れていフリーターになったんだけどね。
予定が自由に立てられる
これはマジで最高だった。
平日だろうが関係なく、予定さえ事前に分かっていれば調整ができる。病院や役所関係なんかは平日しかできないし本当に楽だったよ。
ちょうどフリーターのときに友人と旅行に行く機会ができたんだ。もちろん僕は休みを合わせる側だよね。
だって自由に休みを調整できるんだもん。
誰かと遊びの予定を立てるときに、ひとりでも予定に融通が利く人がいるととってもスムーズで楽なんだよね。
社会人になってマヒしてたけど、「あぁ、予定って自由に立ててもいいんだな」ってフリーターになって改めて気づいたよ(笑)
単純に仕事が楽
アルバイトが与えられる仕事は実に作業的な仕事が多い。僕も最初だけ覚えるのには苦労したけど、内容は考え事しながらでもできるような仕事ばかりだった。
そしてね、ある程度仕事を覚えたときに思ったんだ。
指示待ちって最高かよ……
「なにをしますか」
「どうしますか」
こんな言葉が口から何の抵抗もなく出てくるなんて……僕はいつの間にか自分が受け身になっていることに気がついたんだ。
お金貰うのにこんなんでイイのかな?
って疑問も最初だけで、いつのまにかこれが普通になっていたよ(笑)
若い人が多い
男でも女でも、とにかく若い人が多い。
というのも、高校生や大学生のアルバイトだったり、高校を卒業して間もないフリーターだったり、アルバイトをする状況の人は基本的に若い層だ。
若い人が多いことをメリットと取るのか、もしくはデメリットとしてとるのか、これはもう人それぞれだよね。
しかし少なくとも僕にとってはメリットだったんだ。
僕はフリーターで働いているときに高校生の男の子と話す機会ができた。最初は普通に話していたんだけどね、だんだんと分からない言葉が増えてきた。
流行りの言葉だったりアーティストの名前だったりね。もうマジでついていけなかった。
そんな情報が仕入れられるのも、若い人たちと働いているからこそだったんだ。
でもジェネレーションギャップは感じたよ。だってさ、高校生の男の子がラルクとかGLAYとか知らないんだよ?
びっくりしちゃったよ……
結論(まとめ風に)
ひと言でいうと、
フリーターは自由だけど金がない!!
稼ごうと思うならそのぶん長く働かないといけないし、休みを増やしたければそれだけお金は減っていく。
“自由な生きかた”だとか“会社に縛られない”とか色んなことが言われているけど、まず基本的な生活があって、それからの話だよね。
僕の体験したフリーター生活では、不自由なく生活するための収入を得るには長い労働時間を必要とするから、“自由な生き方”なんてむしろ出来なくなる。
まぁ、それでも正社員になったらフリーターが羨ましくなるんだよね。
あれだけキツイとか言っておきながらね(笑)
となりの芝は青く見えるのかなぁ……(;´∀`)
最後まで読んでくれてありがとう(*^▽^*)